航空機が安全に着陸するためには、適正な進入方向と降下経路で着陸する必要があります。有視界で得られる情報だけでは安全な着陸をすることができないような気象条件でも、計器やレーダーで着陸進入に必要な情報を得ることにより安全に着陸することができます。このように計器やレーダーを用いて行う着陸進入方式のことを計器進入方式といいます。計器進入方式のうち、計器により適正な最終進入コースの情報と降下経路の情報の両方を得て行う着陸進入方式を精密進入方式といいます。
精密進入方式は、進入限界となる気象条件により、5段階に分けられます。この段階をカテゴリーといい、カテゴリー1、カテゴリー2、カテゴリー3a、カテゴリー3b、カテゴリー3cに分けられます。カテゴリーが高いほど、航空機はより悪い気象条件でも着陸進入することができます。また、どのカテゴリーで運用することができるかは、地上施設及び地上装備の精度や、航空機の乗員の資格等により異なってきます。
以前の青森空港の地上施設は、カテゴリー1にしか対応していませんでした。このため、滑走路視距離(RVR)が550メートル未満のときは、着陸進入することができず、また、RVRが550メートル以上であっても決心高(DH)200フィート(約60メートル)まで航空機が降下するまでにパイロットが霧のために滑走路や航空灯火が確認できずに着陸進入の継続が困難と判断し、結局欠航となることがありました。
東北地方では、春から夏にかけて、オホーツク海気団からの冷たく湿った東風「やませ」が吹き付けます。下北半島を横切り、陸奥湾に流れ込んだ「やませ」は夏泊半島を迂回し、青森市内を通って青森空港のある標高200メートルの高台を駆け上がり、滑昇霧を発生させ進入区域周辺を濃い霧で包みます。
この他に、前線通過時や低気圧が日本海を北進する時には霧(低い雲)の中の空港となってしまいます。 青森空港では、濃霧による欠航を克服するため、2003年から計器着陸装置(ILS)及び航空灯火の高カテゴリー化を進めました。
滑昇霧発生中 |
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青森空港では、2007年3月15日より、cat-3aでの供用が開始されました。
cat-3運用は、国内空港では成田国際空港、釧路空港、熊本空港(いずれもcat-3b)についで4番目、地方自治体が設置・管理する空港(第三種空港)としては初めてです。
これにより、cat-3aを運用すれば滑走路視距離(RVR)が200メートル以上で着陸進入することができるようになり、濃霧による欠航が激減しました。
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滑走路視距離(RVR)550メートル
cat-1で降りられる着陸最低気象条件 |
滑走路視距離(RVR)200メートル
cat-3aで降りられる着陸最低気象条件 |
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©工藤一彦
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